在宅ワークをしていると、電話やWeb会議のちょっとしたメモ、その日のToDo、パスワードの一時控えなど、手書きで書き留めたい場面が意外と多いものです。ITヘルプデスクとして12年、トラブル対応の記録は手元の紙にサッと書く習慣が抜けませんでした。ですが気づけば、デスクの上は書き殴った付箋やメモ用紙で散らかり、必要なメモを探すのにひと苦労……という状態になりがちです。
そんな「手書きは便利だけど紙が散らかる」という悩みを解決してくれるのが、電子メモパッドです。専用のペンで画面に書き、ボタン一つで消して繰り返し使える文房具で、紙を消費せず、デスク周りをすっきり保てます。
ただ、いざ選ぼうとすると、数千円のシンプルなものから、書いた内容をスマホに保存できる高機能なものまで種類があり、サイズや消去方式もさまざまです。この記事では、在宅ワーカーの視点で電子メモパッドの選び方を整理し、失敗しないためのチェックポイントとおすすめの3台を紹介します。
紙のメモが散らかると、なぜ困るのか
手書きのメモは、思いついたことをすぐ書き留められる便利な方法です。ですが紙のメモには、たまり続けて散らかるという弱点があります。付箋やメモ用紙は書いた端から増えていき、デスクの上やモニターの縁を埋めていきます。
やっかいなのは、量が増えるほど「必要なメモを探せなくなる」ことです。どこに何を書いたか分からなくなり、結局また書き直す、という二度手間が生まれます。さらに、パスワードや個人情報を書いた紙が机に放置されると、在宅とはいえセキュリティ面でも気になります。
対策として、紙そのものを減らすのが根本的な解決策です。電子メモパッドなら、書いて→用が済んだら消す、を繰り返すだけなので、紙が物理的にたまりません。「一時的に書いて、すぐ消す」という使い方が中心のメモなら、紙をまるごと置き換えられます。
電子メモパッドの2つのタイプ
電子メモパッドと一口に言っても、大きく2つのタイプに分かれます。この違いを押さえておくと、自分に合うものを選びやすくなります。
- 液晶タイプ(書いて消すだけ):液晶画面に専用ペンで書き、ボタン一つで全部消す。数千円と安価で、電源操作も不要ですぐ書ける手軽さが魅力。ただし書いた内容はデータとして残せず、消したら終わり。一時的なメモやToDoに向く
- 保存タイプ(書いた内容をデータ化できる):書いた内容をスマホやパソコンに保存・転送できる。あとから見返したり検索したりできるので、議事録やアイデアの記録に向く。液晶タイプより価格は上がる
「電話メモやToDoをその場で書いて消せれば十分」なら液晶タイプ、「書いた内容をあとで残したい・見返したい」なら保存タイプ、というのが基本の分かれ道です。まずは自分のメモが「消していいメモ」か「残したいメモ」かを考えると選びやすくなります。
選ぶときの4つのチェックポイント
① サイズ(用途に合っているか)
電子メモパッドは6インチ程度の手帳サイズから、12インチ以上の大画面まで幅があります。電話のそばに置いて短い伝言を書くなら小さめ、ToDoリストや図を書き込むなら大きめが快適です。デスクのどこに置いて使うかをイメージして、設置スペースに合うサイズを選びましょう。持ち歩きたいなら軽さも重要です。
② 消去方式(全消しか、部分消しか)
多くの液晶タイプは「ボタン一つで全部消す」方式です。シンプルで分かりやすい反面、一部だけ直したいときも全消しになります。製品によっては書いた一部だけを消せる「部分消し」に対応したものもありますが、きれいに消えないという声もあるため、基本は全消しと考えておくのが無難です。「消したくない内容を守る」ロック機能があると、うっかり全消しを防げて安心です。
③ 保存・共有機能(データを残せるか)
書いた内容を残したいかどうかは、選択を大きく左右します。液晶タイプは基本的に保存できませんが、保存タイプならスマホアプリで撮影・スキャンしてクラウドに保存したり、パソコンに転送したりできます。議事録や打ち合わせメモなど「あとで見返す」用途があるなら、保存機能つきを選ぶと後悔しにくいです。
④ 電源方式とランニングコスト
液晶タイプの多くはボタン電池で動き、消去のたびに少し電力を使いますが、電池は長持ちしメーカーによっては数年もつものもあります。電池交換式か、USB充電式かも確認しておきましょう。保存タイプのうちノート型のものは、専用ペンのインクや、水で拭く手間がかかる場合があります。日々の使い勝手に関わるので、購入前にチェックしておくと安心です。
導入時の注意点
電子メモパッドは便利な文房具ですが、いくつか知っておきたい注意点があります。
- 液晶タイプは長期保存に向かない:書いた内容はいつか消すことが前提です。大事な記録を残したいなら保存タイプを選ぶか、消す前にスマホで撮影しておきましょう
- 画面の明るさは製品差が大きい:液晶タイプは、書いた線がやや暗く見える製品もあります。明るい場所で使うなら問題になりにくいですが、気になる人はレビューで明るさの評価を確認しておくと安心です
- 専用ペンをなくさない:多くは専用のスタイラスペンで書きます。マグネットやホルダーでペンを本体に固定できるタイプだと、紛失しにくく便利です
- 保存タイプは「ひと手間」がかかる:スマホで撮影して保存する方式は、書いてすぐ消える手軽さはありません。手軽さと記録性はトレードオフだと理解して選びましょう
おすすめの電子メモパッド3選
① キングジム ブギーボード BB-20(8.5インチ・定番・消去ロック付き)
まず1台試すなら、という人におすすめの定番モデルです。電子メモパッドの代名詞ともいえるブギーボードシリーズのスタンダードモデルで、書いた文字をボタン一つで消して繰り返し使えます。スリムな設計で、電話のそばに置いてとっさの伝言メモを書くのにぴったり。うっかり消してしまわないよう保護する消去ロックも備えています。電源操作が不要で、思いついたらすぐ書けるのも紙のメモに近い使い心地です。まず電子メモパッドがどんなものか試したい人の入門機として、迷わず選べる一台です。
向いている人:まず定番を試したい人、電話メモやとっさの書き取りに使いたい人、シンプルさを重視する人
② エレコム EP-12BK-AZ(12インチ・大画面・国内メーカー)
ToDoリストや図をしっかり書きたい人におすすめの大画面モデルです。12インチとA4ノートに近いサイズで、1日のタスクを一覧で書き出したり、簡単な図やフローを描いたりするのに向いています。国内メーカーであるエレコムの製品で、ワンタッチ消去とスライド式のロック機能を搭載。2,000円台とコスパも良好です。ペン先が細く細かい字も書けるので、情報量の多いメモを書きたい人に向いています。「小さいと書ききれない」という不満を感じている人の、乗り換え先としても選びやすい一台です。
向いている人:ToDoや図を大きく書きたい人、国内メーカーの安心感を重視する人、コスパ重視の人
③ ロケットブック Core(保存タイプ・スマホでクラウド保存・繰り返し使える)
「書いた内容を残したい」人におすすめの、一歩進んだ保存タイプです。これは液晶パッドとは別のアプローチで、専用ペンで紙のようなページに書き、スマホの専用アプリで撮影するとGoogleドライブやDropboxなどのクラウドに自動で保存できます。保存したら付属の布を水で湿らせてページを拭くと、書いた内容が消えて何度でも使い直せる仕組みです。議事録や打ち合わせメモを「手書きしつつ、あとで見返せる形で残したい」というニーズにぴったり。書いて消すだけの液晶タイプでは物足りない、記録性を求める人向けの選択肢です。
向いている人:手書きメモをデータで残したい人、議事録やアイデアを保存・検索したい人、環境負荷を減らしたい人
まとめ
電子メモパッド選びのポイントは、次の4つに整理できます。
- サイズが用途に合っているか(伝言メモなら小さめ、ToDoや図なら大きめ)
- 消去方式(基本は全消し。ロック機能があるとうっかり消しを防げる)
- 保存・共有機能が必要か(残したいメモがあるなら保存タイプ)
- 電源方式とランニングコスト(電池式かUSB充電式か、ペンや手間の有無)
まず定番を手軽に試すならブギーボード BB-20、大きく書きたいならエレコムの12インチ、書いた内容を残したいならロケットブックが候補になります。自分のメモが「消していいメモ」か「残したいメモ」かを軸に選ぶと、失敗しにくくなります。紙の散らかりから解放されて、すっきりしたデスクで仕事を進めましょう。
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