ノートパソコンクーラー(冷却台)の選び方|熱で重い・ファンがうるさいを解決

周辺機器

夏場、ノートパソコンを使っていると、本体が熱くなって動作がもたついたり、内蔵ファンが「ブオーン」と大きな音で回り続けたりすることはありませんか。ITヘルプデスクとして12年働いてきましたが、「最近パソコンが重い」という相談の中には、熱が原因になっているケースが少なくありませんでした。

パソコンは、内部が熱くなりすぎると、故障を防ぐために自動的に性能を抑える仕組み(サーマルスロットリング)を持っています。つまり、熱いまま使い続けると、わざと遅くなるのです。特にノートパソコンは薄い筐体に部品が詰まっているため、熱がこもりやすい構造です。

この熱対策として使われるのが、ノートパソコンクーラー(冷却台)です。ノートPCの下に置いて、熱を逃がしたり風を送ったりする道具です。ただ、正直に言うと「効果が実感できた」という声と「気休めだった」という声の両方があるジャンルでもあります。この記事では、どういうときに効果が出て、どういうときは期待しすぎない方がいいのかも含めて、失敗しない選び方とおすすめの3台を紹介します。

ノートPCが熱くなると、なぜ遅くなるのか

ノートパソコンの中では、CPUなどの部品が動作するときに熱を発生させます。通常はこの熱を、内蔵ファンや放熱板で外に逃がしています。ところが、気温の高い夏場や、動画編集・多数のタブを開いた作業などで負荷がかかると、発熱が放熱に追いつかなくなります。

内部が一定の温度を超えると、パソコンは部品を守るために、自動的に処理速度を落とします。これが「熱くなると遅くなる」正体です。さらに、熱を逃がそうと内蔵ファンがフル回転し、動作音が大きくなります。熱がこもった状態を長く続けると、バッテリーや部品の寿命を縮める原因にもなります。

ノートパソコンクーラーは、この熱の問題にアプローチします。ただし重要なのは、「クーラーを使えば必ず速くなる」わけではないことです。もともと発熱の少ない使い方をしているなら、体感できる変化はほとんどありません。効果が出やすいのは、負荷の高い作業で発熱している場合や、熱がこもりやすい設置環境で使っている場合です。自分の使い方が、これに当てはまるかを考えるのが最初のポイントです。

ノートPCクーラーの3つのタイプ

ノートPCクーラーは、冷やし方によって大きく3つのタイプに分かれます。仕組みが違うので、効果や音、使い勝手も変わります。

  • 置き型ファンタイプ:ノートPCを台に乗せ、下から風を当てるタイプ。最も一般的で種類が豊富。PCを底面から冷やしつつ、台に角度がついて姿勢もよくなる。効果は穏やかだが、静音モデルなら常用しやすい
  • 吸引式タイプ:PCの排気口に直接取り付けて、内部の熱を強制的に吸い出すタイプ。ピンポイントで排熱を助けるため冷却効果が高い。ただし取り付けられる排気口の形状が限られ、動作音は大きめ
  • ファンレス(放熱スタンド)タイプ:ファンを使わず、アルミなどの放熱性の高い素材と、風通しを確保する形状で自然に冷やすタイプ。無音で電源も不要。効果は穏やかだが、音を一切出したくない人向け

「手軽に常用したい」なら置き型ファン、「負荷の高い作業でしっかり冷やしたい」なら吸引式、「とにかく静かがいい」ならファンレス、という選び方になります。効果の大きさは吸引式が高い傾向ですが、その分うるさくなりがちなので、静音性とのバランスで選びましょう。

選ぶときの4つのチェックポイント

① 対応するノートPCのサイズ

クーラーには対応するインチ数の目安があります。13インチの小型ノートに大きすぎる台を使うと安定しませんし、17インチの大型ノートを小さい台に乗せるとはみ出します。自分のノートPCのサイズに合ったものを選びましょう。滑り止めの位置や、PCがずれ落ちないストッパーの有無も確認しておくと安心です。

② 冷却効果と、風の向き

置き型ファンは、風を「PCに当てる」ものと、「下から吸って循環させる」ものがあります。効果を左右するのは、ノートPCの吸気口・排気口の位置との相性です。PCの底面に吸気口があるモデルなら、下から風を送るタイプが効果的です。製品によっては風向きを切り替えられるものもあります。大口径ファンや複数ファンのモデルは風量が大きく、冷却効果も高くなる傾向があります。

③ 静音性(動作音)

ここが最も重要なポイントかもしれません。ノートPCが熱で遅くなるのを防ぎたいのに、クーラーのファン音がうるさくては本末転倒です。特にWeb会議中や静かな環境で使うなら、動作音は必ず確認しましょう。30dB前後なら、ささやき声程度で常用しやすいレベルです。風量を調整できるモデルなら、静かに使いたいときと、しっかり冷やしたいときを使い分けられます。

④ 電源方式と角度調整

多くのクーラーは、USBケーブルでPCから電源を取ります(USBバスパワー)。PCのUSBポートが埋まらないよう、クーラー自体にUSBポートが付いているモデルだと便利です。また、台に角度がつくものは、キーボードが打ちやすくなり、画面も見やすくなって姿勢改善にもつながります。角度を数段階で調整できると、自分の使い方に合わせられます。

導入時の注意点

ノートPCクーラーを使うときは、以下の点を知っておきましょう。

  • 過度な効果を期待しない:クーラーは熱を「多少和らげる」ものです。もともと軽い作業しかしないなら、体感変化は小さいことが多いです。効果が出やすいのは、高負荷作業や、熱がこもる環境での使用です
  • PCの吸排気口をふさがない:クーラーに乗せることで、かえってPCの通気口をふさいでしまっては逆効果です。PCの吸気口・排気口の位置を確認し、それを妨げない置き方をしましょう
  • ホコリの掃除を忘れずに:ファンはホコリを吸い込みます。定期的にファンやフィルターを掃除しないと、風量が落ちて効果が下がります
  • 室温対策も併用する:そもそも部屋が暑いと、いくら冷却台を使っても限界があります。エアコンや卓上ファンなど、環境全体での対策も効果的です

ノートPCの発熱対策におすすめのクーラー3選

① エレコム SX-CL22LSV(置き型ファン・静音・角度調節・常用向け)

まず手軽に、常用できるクーラーがほしい人におすすめの置き型ファンタイプです。大口径の20cmファンを1基搭載し、未使用時と比べて最大約10℃の冷却効果をうたっています(使用環境によって効果は異なります)。最大の魅力は静音性で、動作音は約30dBとささやき声程度。オフィスや深夜の家庭でも気兼ねなく使えます。4段階の角度調節ができるので、キーボードが打ちやすい傾斜に合わせられ、姿勢改善にもつながります。天面には放熱性の高いアルミパネルを採用。底面から風を取り込む構造で、効率的に排気します。15.6〜17インチの大きめのノートにも対応。「うるさいのは困るけど、熱対策はしたい」という、デスクで長時間使う人にぴったりの一台です。

向いている人:静かに常用したい人、角度調整で姿勢もよくしたい人、大きめのノートPCを使う人

② IETS 吸引式ラップトップファンクーラー(吸引式・強力冷却・温度表示)

負荷の高い作業で、しっかり冷やしたい人におすすめの吸引式タイプです。ノートPCの排気口に直接取り付け、内部の熱を強制的に吸い出す仕組みで、置き型より高い冷却効果が期待できます。高速ファン(毎分2600〜5000回転)で、排気口から効率よく熱を排出。13段階の風速調整ができ、LED表示で排気口の温度を確認しながら使えます。排気口の温度に応じて自動でファンを調整するモードもあり、負荷に合わせた冷却が可能です。動画編集やゲーム、重い処理を長時間続ける人には、この排熱力が頼りになります。ただし、しっかり冷やすぶん風速を上げると動作音は大きめになるので、作業内容に応じて風速を調整して使いましょう。取り付けられる排気口の形状は、購入前に自分のPCと合うか確認しておくと安心です。

向いている人:高負荷作業で本格的に冷やしたい人、温度を確認しながら使いたい人、置き型では物足りない人

③ ノートPCクーラー アルミ放熱スタンド(ファンレス・無音・電源不要)

音を一切出したくない人におすすめの、ファンを使わない放熱スタンドです。熱伝導率の高いアルミを使い、風通しのよい形状でノートPCの熱を自然に逃がします。ファンがないので完全に無音、電源も不要で、USBポートを埋めることもありません。Web会議や録音作業など、少しの雑音も避けたい場面に最適です。スタンドとして角度がつくので、キーボードが打ちやすくなり、画面の位置も上がって姿勢改善にもなります。冷却効果はファンタイプより穏やかですが、「軽い作業中心で、熱がこもらない程度に放熱できればいい」「とにかく静かがいい」という人には十分。シンプルで置き場所も選ばない一台です。強力な冷却を求める人には物足りないので、その場合はファンタイプを選びましょう。

向いている人:無音がいい人、電源やケーブルを増やしたくない人、姿勢改善も兼ねたい人

まとめ

ノートパソコンクーラー選びのポイントは、次の4つに整理できます。

  • 自分のノートPCのサイズに合ったものを選ぶ
  • 冷却効果は吸引式が高め、置き型は穏やか、ファンレスは自然放熱
  • 静音性は最重要。Web会議や静かな環境なら30dB前後や無音タイプを
  • 電源方式(USB)と角度調整の有無を確認する

静かに常用するならエレコムの置き型、高負荷作業で本格的に冷やすならIETSの吸引式、無音がいいならアルミ放熱スタンドが候補になります。ノートPCクーラーは、熱による動作の遅さやファン音をやわらげる道具ですが、効果は使い方次第です。高負荷の作業や熱のこもる環境で使うほど恩恵が大きく、軽い作業では気休め程度のこともある——この点を理解したうえで、自分の使い方に合った一台を選びましょう。

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